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高校生の不登校に親はどう対応したらいいのか?についてお伝えします。
「子供が高校生の場合の不登校対応」
そう考えると、難しい印象を受けるかもしれません。小学校や中学校の授業より高校の授業のほうが難しいように、不登校対応も高校生のほうが難しい気がしてしまうかもしれません。
そう思うのは錯覚です。子供が高校生の場合の不登校対応は特別難しいものではありませんし、小中学生の場合の不登校対応と共通する部分も多々あります。
まずは、必要以上に難しくとらえないこと。その心がけが大切です。
「小中学生の場合の不登校対応と共通する部分も多々あります」と前述しましたが、もちろん“違い”もあります。精神面も身体面も高校生と小中学生は全く異なりますから、その違いによって必要な対応が違ってくることも事実です。
ですから、子供が高校生で不登校になっている場合は「小中学生の場合の不登校対応と共通する部分があるので意外と簡単だろう」と思うと同時に「小中学生の場合とは明らかに異なる不登校対応が求められる場面もあるだろう」と意識することでうまくいきます。そうしてバランスの良い意識を保った上で、これから説明する「高校生の不登校に特に求められること」を頭に入れてサポートすると驚くほどスムーズにうまくいくでしょう。
最初から難しいことを説明すると理解しづらいでしょうし、いちどにまとめて多くのポイントをお伝えすると頭に入りづらく、実行も難しいでしょうから、ここでは簡単なポイントを3つだけ説明します。この3つの簡単なポイントを頭に入れて不登校対応を進めると、明らかに子供に良い変化があらわれてきますので、それを楽しみにして対応改善に取り組んでみてください。
それでは、スタート!
<目次>
高校生で不登校になる場合、そこには小中学生よりも“歴史”があります。高校生は小中学生よりも長く生きていますから、そこに至るまでの期間が長く、期間が長いぶんパターンが多様化しているんですよね。まずは、その多様化しているパターンを親が認識することが重要です。
多様化するパターンを大きく分けて示すと、次のようになります。
パターン1:小学生の頃も中学生の頃も不登校で、高校生になっても不登校(不登校が続いているか、不登校が再発)
パターン2:小学生の頃に不登校で、高校生になって不登校が再発
パターン3:中学生の頃に不登校で、高校生になっても不登校(不登校が続いているか、不登校が再発)
パターン4:高校生になってはじめて不登校
大きく分けると上記のようになります。まずは、これらのパターンのなかで子供がどれに当てはまるのかを明確に意識しておくことです。
「そんなわかりきったことを意識して何になるの?」と思うかもしれませんが、この意識があるだけで不登校専門家のアドバイスが本物かどうかを見抜けるようになります。
例えば、明らかに我が子がパターン2に当てはまるのに専門家がパターン4向けのアドバイスをしていたら、違和感を感じて疑うことができるでしょう。パターン3に当てはまるのにパターン1のアドバイスをされる場合も同様です。“違和感”が働くようになります。
最初のうちは違和感を感じるだけかもしれませんが、SIAPROJECTのホームページやブログを読んでいたり専門家のトレーニングを受けていたりすると徐々に偽物のアドバイスを見抜けるようになります。そうして偽物のアドバイスに惑わされないようになると、“自称専門家”の間違った助言を避けることができ、子供の人生を破綻させずに済みます。それだけでも大きなメリットです。
さて、ここからはもう少し細かなところまで説明していきましょう。
まず、先に大事なことを言っておきますが、パターン1~4のどれに当てはまる場合でも「最も重要な改善方法」は共通しています。表面的な不登校改善ではなく根本からの不登校改善が必要ですし、一時的な不登校脱出を目指すのではなく「再発しない不登校脱出」を目指すことが必要です。そのための改善方法は「ひふみ~よ」を活用したトレーニングでできるようになることですから、ここで文章で一方的にお伝えするだけでは成立しません。ですから、ここでは「基本的な不登校対応」を説明します。
前述で「最も重要な改善方法」は共通していると書きましたが、その「最も重要な改善方法」の上に加えるものとして必要とされるのが「基本的な不登校対応」です。この「基本的な不登校対応」も「最も重要な改善方法」と同じでパターン1~4に共通しています。パターン1~4に共通する基本的な不登校対応は「マイナス蓄積を引き算するイメージでの対応」です。
ちょっとだけ想像してみてください。高校生の子供は今までにいろんなものを蓄積していますよね?
小学生の頃に起きたこと、思ったこと。中学生の頃に起きたこと、思ったこと。膨大な出来事と記憶を蓄積しています。それは、小中学生の頃に不登校になったかどうかとは関係ありません。小中学生の頃に不登校になっていても、なっていなくても、どちらであっても膨大な出来事と記憶を蓄積しています。そして、その蓄積のなかには“マイナス”ととらえられるものもあります。そのマイナス蓄積を解消するようにして親がサポートしていかなければ、効果的な不登校対応にはならないのです。子供が高校生の場合には特にこの点が重要で、“丁寧”にマイナス蓄積を解消していくことが必要です。
具体的な例で説明します。
例えば、子供が幼い頃から親に言いたいことを言えずに我慢して育った場合、その鬱憤は確実に蓄積されています。子供の心のなかにフラストレーションがたまり、その“かたまり”のようなものが子供の思考や行動をさまたげるブレーキのようになっています。そのブレーキによって登校が難しくなっている場合には、まずはそのブレーキを解除すること、つまり、子供の心に長年かけて蓄積されたフラストレーション(言いたいことが言えない鬱憤)を取り除いてあげる必要があります。例えば、そういうことです。
子供が高校生の場合、小中学生よりも長く生きているぶん、蓄積も大きくなっていますから、その蓄積に含まれるマイナスのものを丁寧に取り除いていく必要があります。蓄積が大きいぶん時間もかかるので、親御さんは一日でも早く取り組んだほうがいいでしょう。
先ほどの例で親がやったほうがいいことは明確です。子供が親に言いたいことを言えるように環境を整えていけばいいのです。
・仕事のしすぎで余裕がなさそうに見えているなら、ときどきは何もしない時間をつくって「話を聴ける余裕」を見せる
・子供が言いたいことが言えなくなるようなギスギスした空気にしないために、夫婦関係の改善や周りの人間関係の改善を十分に行う
・何を言っても否定してくるような頑固親父(頑固ママ)にならないために、意識が高い人達とのつながりを大切にして、柔軟なものの見方ができるように自分自身を変えていく
……など。
できることはいくらでもあるはずです。よくある失敗は夫婦関係のギスギスです。夫婦関係がギスギスしていたら、その空気に遠慮して言いたいことを言わなくなるのが普通ですから、まずはそこを直したほうがいいでしょう。
ここまで、パターン1~4に共通する基本的な不登校対応を書きましたが、ここからは「パターン1~3に共通しがちなこと」と「パターン4に特に見られること」についてお伝えします。
パターン1~3に共通しがちなことが「勉強に関するあきらめ」です。小中のどこかの時点で不登校になっている場合、その不登校時期の勉強が抜け落ちていて、その欠落が原因で勉強の遅れが取り戻せず、勉強面で同級生に追いつくことは不可能だろうとあきらめている場合があります。このケースは非常に多いものです。ですから、子供がパターン1~3に当てはまるなら、勉強に関してあきらめているケースを想定し、考慮しておく必要があります。親がやったほうがいいことは、難しいことではありません。今、そしてこれからは、最新の学習ツールが次々と出ます。その学習ツールの情報を早めにキャッチして、子供にさりげなく伝えることが日常的にできていたら、子供が勉強面に希望を見出す可能性が高まります。
今これを読んでいるあなたも経験があるかもしれませんが、勉強というものは「自分に合った学習方法」と出会ったときに劇的にできるようになるものです。「今までの努力はなんだったのか……」と思うほど急速に勉強が進み、驚くほど成績が上がるものです。逆に言えば、自分に合わない学習方法で勉強していると苦痛ばかりで、勉強の苦手意識が強まる一方で、成績もなかなか上がりません。ですから、その子に合った学習ツールを見つけることがものすごく重要で、そこに親が上手に協力することも非常に重要なのです。
今後は、想像もしなかったような学習ツールが登場するでしょう。不登校の子供にピッタリと合った学習ツールがある日突然登場する可能性も十分にあります。その情報をいち早くつかんで子供が勉強の遅れを取り戻した場合と、その情報をずっと知らずに数年遅れて知った場合を想像で比較してみてください。その後の子供の人生が全く違ったものになると思いませんか? SIAPROJECTでは最先端技術について日々リサーチしていますし、その過程で最新の学習ツールが見つかった場合にはすぐにひふみ~よ会員全員にお伝えすることになっていますが、そこに頼るだけになることはおすすめしません。大切なことは、子供の特性を知ろうとする親の姿勢と、それとともに子供に最適な最新の学習ツールをキャッチしようとする意識です。子供も親も、勉強の遅れに関してあきらめないようにしましょう。
「パターン4に特に見られること」についてもお伝えしておきます。
パターン4(小中学生の頃にはいっさい不登校にならずに高校生になってはじめて不登校になった場合)では、反抗期のあらわれとして不登校になっているケースも考えられます。ずっとずっと“いい子”で育ってきて、親にうまく反抗できずに育ってきた場合、必要な成長過程(反抗)をどう表現していいのかわからなくて、それで不登校になるケースもあります。優しい子は、親に反論したり暴言を吐いたり嫌な態度をとったりできないんですよね。でも、自分自身に必要な成長過程として親に反抗する気持ちは湧いてくるので、それをどうにかして表現したくて黙って不登校になるのです。
このようなケースに当てはまると思われたら、“不良性を喜ぶこと”も大切です。子供がちょっとだけ不良っぽいことをしたときに、親が余裕をもって「おお、いいぞ、いいぞ。成長しているなぁ」と思えたら、子供はスムーズに成長できます。そのスムーズな成長が不登校脱出につながることも多いので、“不良性を喜ぶこと”が効果的なのです。もちろん、行き過ぎた不良は別です。犯罪に手を染めるようなことまで喜ぶことをおすすめしているのではありません。そうではなく、その子が今まで見せなかった少々の不良性を喜ぶ余裕を持ちましょう、ということです。親の余裕ある態度が子供の成長をうながし、不登校脱出の原動力となります。
余談ですが、ほとんどの親御さんは子供の少々の不良性を喜ぶ余裕がありません。不登校になっている状態で不良性を見せられたら、パニックになって激しい親子喧嘩になったり、ひどく絶望したりします。なかには、体を壊して病気になったり鬱(うつ)になったりする親御さんもいます。だからこそ、そうならないためにプロのサポートが必要なのです。できるだけ早い段階から「心の余裕を広げるためのサポート」を受けることで、不登校悪化を避け、確実に不登校改善を進めることができます。
パターンの多様化を意識することの重要性と、具体的な注意点、親としてできることが理解できたでしょうか?
まずは、上記に書かれてあることを参考にして対応改善を進めることをおすすめします。
高校生になると小中学生の頃よりもチャンスが広がります。バイトができるようになる、一人ででかけやすくなる、物事に対する理解力が高まる……など。可能性が広がってきて、さまざまなチャンスがあります。
もちろん、小中学生の頃のほうが頭がやわらかかったり、成人までの残り時間にまだまだ余裕があったりしますから、そういう意味では小中学生に有利な面もありますが、それとは別に、高校生になることで“何かとやりやすくなる面”が増えることは明らかです。
そうしてチャンスが広がる高校生時代ですが、それと同時に絶望しやすいのも高校生時代です。「もう、こんなにも年をとってしまった……」「普通に学校に行っている同級生との差が広がりすぎて、もう追いつけそうもない……」などと絶望しやすくなる時期でもあるのです。
ですから、高校生の不登校を親がサポートする場合、その相反する面を同時に意識することが大切です。チャンスが広がり希望を抱きやすくなる面と年齢が上がったことで絶望しがちな面の両方を、どちらも直視する必要があります。
残念なことですが、その“直視”ができる親御さんはなかなかいません。マイナス思考にかたよりがちな親御さんは子供が絶望しやすい部分にばかり目を向けてしまい、希望の側面に目を向けることがなかなかできませんし、プラス思考にかたよりがちな親御さんは子供のチャンスにばかり目を向けてしまい、絶望の側面に目を向けることがなかなかできないのです。
そのため、SIAPROJECTのサポートでは「プラス思考にもマイナス思考にもかたよらずに子供の様子を眺められる能力が身につくトレーニング」を毎日行なっています。そうした“トレーニング”をコツコツとつづけていかなければ絶対にできないことなので、“ただ教えるだけ”のセミナーのような形ではないのです。
親御さんがプラス思考にもマイナス思考にもかたよらず、子供のチャンスを幅広く認識することができて、そのチャンスのいくつかをつかむ手伝いができたら…… 子供の未来がどれほど明るくなるでしょう? 不登校脱出の可能性がどれくらい上がるでしょう?
親御さんがプラス思考にもマイナス思考にもかたよらず、その子が絶望する危険性を考慮し、不要な絶望を防ぐようにサポートできたら…… 必要な絶望を尊重し、その絶望からはいあがる過程で身につく力を身につけさせてあげることができたら…… その子はどれほど強くなるでしょう? 不登校脱出の可能性がどれくらい上がるでしょう?
ちょっと想像しただけでもわかるはずです。
不要な絶望? 必要な絶望? 頭のなかが疑問になっている方もいるかもしれませんので、それについて補足しておきます。
不要な絶望とは、例えばこんなことです。
「もう17歳になってしまった……年をとりすぎた……学校にも行っていないし働いてもいないし、生きていけない……ホームレスになるしかない……(絶望)」
この気持ち、私も似たような思いを不登校時代に経験していますが、不要な絶望だったなぁと思います。まず、17歳で年をとりすぎたと思っている時点で今となっては笑い話ですし、17歳の時点で学校に行ってなくて働いていなくてもその先の人生はまだまだ長いわけで、20歳過ぎてから働き始めても十分に生きていけます。そのことを知れば、当時の私も、前述のように思う不登校の子供も、絶望することはないでしょう。こういった“不要な絶望”とも呼べるものが子供の心に生じなくなるように親はサポートできる、ということです(※)。
※そのサポートは、不要な絶望であることを子供に伝えるということではありませんよ。それはサポートではなく親の自己満足で子供の不登校を悪化させる行為です。そうしたことをやればやるほど不登校は悪化します。では、どうすればいいのか? 答えがわからない人はトレーニング不足です。信頼できる専門家のもとでトレーニングをつづけることをおすすめします。
一方、必要な絶望とは、例えばこんなことです。
「もう17歳になってしまった……年をとりすぎた……アイドルになりたいと思っていたけど歌やダンスのレッスンをほとんどすることなくこの年齢になってしまった……憧れのアイドルは17歳の頃には大活躍していたのに……(絶望)」
これは必要な絶望だと思いませんか?
こうして健全に絶望することで現状を冷静に見つめることができ、現実的に自分が何を選択し、どう行動していくかを決めることができます。こうした健全な絶望がない場合、ただの現実逃避になるでしょう。現実逃避はその子の力を弱めます。不登校の子供に限らず、人は誰でも何かしらの絶望を乗り越えて生きていくものです。絶望を乗り越える力を身につける良い機会なら、そこにあるのは“必要な絶望”です。
子供にとっての「必要な絶望」を親が尊重し、そこからはいあがる力を身につけさせることまでできるようになると、不登校脱出が簡単に成功するのはもちろん、不登校再発防止まで成功します。乗り越える力(はいあがる力)を身につけた子供は、再登校後にショックなことがあってもそれを乗り越えて登校をつづけるからです。
さて、ここでクイズです。
Q1. あなたが今サポートしている子供が高校生の場合、その子のチャンスになりそうなことは何だと思いますか?
Q2. あなたが今サポートしている子供が高校生の場合、その子が絶望しやすいことは何だと思いますか?
この2つの質問に答えようとしたときに思考が止まった人は、不登校対応力が身についていません。その思考停止状態がトレーニング不足の証拠です。
思考が止まらなかった人は「どれくらいスムーズに答えが出てきたか」と「答えにどれくらいの新しさがあったか」を振り返ってみてください。答えがなかなか思い浮かばなかった人や、ありきたりの答えしか思い浮かばなかった人は、やはりトレーニング不足です。不登校対応での思考を柔軟にするトレーニングと、厳選された信頼できる新しい情報を取り入れる努力を継続しましょう。
ちなみに、Q2の答えで「その子が絶望しやすいこと」がなんとなく見えてきたら、それが「不要な絶望」なのか「必要な絶望」なのかまで考えてみましょう。それが「不要な絶望」なら、その子が不要な絶望をしなくて済むように配慮してあげることです。親から子へと情報や考え方を伝達することを考える親御さんも多いと思いますが、伝達の前に親御さん自身の一人での変化やコミュニケーション力向上を行なう必要があります。親御さん自身の一人での変化やコミュニケーション力向上についてはSIAPROJECTが無料提供している内容をヒントにしてもいいですし、自分自身の頭で考えてアイデアを出してもいいでしょう。
Q2の答えが「必要な絶望」なら尊重してあげることです。これはなかなか難しいことでしょう。子供が絶望している姿を見るのはツライものですし、本当に乗り越えられるのかハラハラして眠れなくなるかもしれません。その感情の不安定さに耐えきれず、余計な手出し口出しをしてしまうのが大半の親御さんです。そうして「子供が絶望を乗り越える力を身につけるチャンス」を奪ってしまい、逆に不登校悪化にまで向かわせてしまうのです。必要な絶望を尊重してあげることは容易なことではありません。感情がかなり安定していないとできないことです。本物のプロはそのことがわかっているため、感情安定のトレーニングを徹底することから始めるように指導するのです。
Q1に関しては、明確化しておくだけでも十分です。その子にとってチャンスになりそうなことを明確化しておくだけでも、親が子供の邪魔をしなくなり(協力できて)、不登校改善の追い風になります。
高校生になると、小中学生の頃とは異なる欲求を持ち始めます。
その欲求は、通常、自覚されません。子供は自分でも分からないうちに小中学生の頃とは異なる欲求が生じ、その欲求の活用がうまくできないために不登校悪化がエスカレートしてしまうのです。
もちろん、そのエスカレートの構造も自覚できません。欲求自体が認識されていないのですから、その欲求がもととなって不登校悪化がエスカレートする構造も見えないのです。 本人が自覚していないのですから、親もわかりません。「どうしてこの子はこんなにイライラするの!?」「どうしてこの子はこんなに話が通じないの!?」……などと疑問に思い、失望する親御さんも多いと思いますが、それは無意識で起きていることなので本人も親も気づけないからです。
小中学生の頃とは異なる欲求が無意識に生じていることを本人が自覚し、親もそれを認識し、その欲求を上手に活用できるようになれば不登校悪化がエスカレートすることはありません(少なくともその面に関しては)。 逆に不登校改善がスムーズに進むようになりますので、親子ともに、子供の無意識の欲求にフォーカスすることはとても重要なことです。
自覚されない無意識の欲求はいろいろとあるのですが、ここでは、わかりやすいものを1つだけお伝えします。
自覚されない無意識の欲求として多くの子供の心に生じるのが、社会に貢献したい欲求です。中学生まではまだ甘えられる年齢で、どちらかと言えばセルフイメージも“こども”で「社会に貢献したい欲求」も生じづらいものですが、高校生になると「だんだんと甘えられなくなってくる事実」を自然と受け止め、それに連動して「社会に貢献したい欲求」が無意識に生じます。
本来であれば、この社会貢献欲求が自然と活かされる形で勉強や部活に精を出すのですが、不登校になっているとそれが思うようにできません。そのため、何もしないでいると欲求不満が蓄積される状態になり、そのフラストレーションのかたまりが足を引っ張り、普段の思考や行動にブレーキをかけてしまいます。頭も体も動かさないでいるとだんだんと気力まで湧かなくなりますから、思考も行動も気力もダウンすることであっという間に不登校悪化がエスカレートするのです。
ですから、不登校悪化のエスカレートを避けるためには、社会に貢献したい欲求を活かせるような生活スタイルに変えていったほうがいいでしょう。親や親戚の仕事を手伝ったり、ボランティアをして親以外の大人たちと出会ったり、インターネットで有益な情報を発信したり、作品をつくってどこかで発表したり……現実的に社会と関わることで欲求が活かされます。そこには、親の協力も必要でしょう。子供から協力を求められ、親として協力できることがあったら、協力してあげてください。
残念なことですが、子供が社会に貢献したい欲求を活かせる方向に向かおうとしているのに、それを邪魔してしまう親御さんが大半です。「そんな遊びみたいなことをするヒマがあったら勉強してほしい」「中毒になってほしくないからインターネットを使う時間は制限したい」……などと考えて、子供の不登校改善チャンスを奪ってしまうのです。不登校改善を願っている親御さんが自らの力で不登校改善を阻み、不登校悪化をエスカレートさせている現実。その現実のなかに、あなたも入っていませんか?
前述で、
>不登校悪化のエスカレートを避けるためには、社会に貢献したい欲求を活かせるような生活スタイルに変えていったほうがいいでしょう。
と書きましたが、これを読み、すぐに「子供を動かそうとする気持ち」が心に生じた親御さんは0点です。「親戚の仕事を手伝わせてみようかな」「今度ボランティアに親子で参加してみようかな」などと思った親御さんも0点です。厳しい言い方になりますが、その思考と感情が根付いている限りは不登校改善に向かわないでしょう。今のままでは、一時的に子供の状態が良くなることはあっても、完全な不登校脱出には至りません。成功したとしてもそれは表面的改善でしかなく、根本からの改善ではないので再発します。本当の改善が進んでいない、悪化リスクと再発リスクが大きくなりつづけている危険な状態です。
表面的ではなく根本からの不登校改善に成功する親御さんは、いきなり子供を動かそうとはしません。子供を動かそうとする発言も、最初はしません。そうではなく、まずは、子供の無意識に「社会に貢献したい欲求」が生じているのでは?と親が思考することからスタートします。子供がその欲求を自覚していなくても、親がその欲求を思考するのです。
例えば、子供が学校に行かずに何もせず、家で怠けているように見えても「この子の無意識には今、社会に貢献したい欲求が生じているのかもしれない」と考えてみて、その状態を受け入れると、その後の親子関係はグンと良くなり、親子関係が良好になることで子供に協力しやすくなります。良好な関係性になると子供のほうから協力を頼んできますから、親はそれにこたえるだけでいいのです。そうして協力していると自然と子供が「社会貢献欲求を活かせるような生活スタイル」になり、イキイキとしはじめます。欲求不満蓄積が解消され、思考や行動のブレーキもはずれ、気力十分で不登校脱出に向かいはじめるのです。
ちなみにですが、社会に貢献したい欲求で「語らない夢」が子供の心に秘められることもよくあります。「学校には行きたくない、行けない、だけど社会にはどうにかして貢献したい、だから自分ができそうな○○(夢)を仕事にして社会に貢献したい」という心理です。できれば、この心理も考慮してあげてください。親が子供のそういう心理を考慮することで、子供はさらに行動しやすくなってきます。もしも、その「語らない夢」に関することで1つでも結果を出せたら、その子は劇的に変わります。たった1つでも、夢に関する結果を出せたら子供は驚くほど変わりますから、そのことを楽しみにしていてください。もちろん、その劇的な変化で不登校なんてあっという間に消えてしまいます。
以上、高校生の不登校に親はどう対応したらいいのか?について3つの簡単なポイントをお伝えしました。どれも簡単ですが奥が深いものなので、何度も読み直してご活用いただければと思います。
この記事を読んでくださったことに感謝します。
みなさまの幸せを願っています。
執筆者:SIAPROJECT代表 木村優一
SIA PROJECTでは無料のサポートも行なっています。無料サポートは、3つのメール配信を通して行ないます。メールで配信される内容は有料サポートとはまったく異なりますが、この無料サポートだけで不登校改善に成功した親御さんもいますので、ぜひとも有効活用していただけたらと思います。⇒詳細はこちら
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