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不登校が回復していく過程はその子によって異なり、そのパターンはさまざまですが、よく見られるパターンがあるのも事実です。
その「よく見られるパターン」のうち3つをこれからご紹介しましょう。
※わかりやすく説明するためにここではあえて「回復」という言葉を使っています。不登校を病的なものと解釈しているわけではありませんのでご了承ください。(誤解しないように気をつけながらお読みください。)
まず、最も多いと言っても過言ではないパターンが、運動がきっかけで不登校回復に向かうパターンです。
私のもとには、たくさんの親御さんから日々たくさんのメール報告が届きます。そのメール報告を読み続けていると、運動がきっかけで不登校回復に向かうパターンが多いことが明らかなんですね。
「最近、うちの子が運動するようになったんです」と親御さんからメール報告が届く
↓
その後、数ヶ月~一年以内に「学校に行くようになりました!今学期は1日も休んでいません」と親御さんからメール報告が届く
こういうパターンが多いのです。
もちろん、いちど不登校脱出する程度では安心できません。その不登校脱出で親が浮かれてしまったら、あっという間に不登校が再発し、再び落ち込むことになるでしょう。
ですから、不登校が完全回復し、不登校脱出したとしても、そこをゴールにするのではなくスタートにすることが大切です。その時点から本腰を入れて「不登校再発のリスクを減らすための対応」をしっかりと続けていく必要があります。
ただ、「一度の不登校脱出程度では安心できない」と言っても、一般的には大半の親御さんが「一度の不登校脱出」に成功することさえできていませんよね。それを考えれば、運動がきっかけで不登校回復に向かい、学校に行くようになった「事実」は素晴らしいことでしょう。
事実として「運動がきっかけで不登校回復に向かうパターン」が多いこと。
それを頭に入れておいて損は無いはずです。
もちろん、どんな運動がきっかけになるかはその子によって異なります。
ポイントは、その子に合った運動でなければ意味がないということ。
親が無理やり何かの運動をさせるとか、半ば強引に何かのスポーツに誘うとか、そういうことをしてしまったら逆効果です。そんなことをしてしまえば「また子供を親の思う通りに動かそうとしている」と子供から思われ、子供の心に「親に対する不信感」が生じ、親子関係が崩壊します。
親子関係が崩壊し、親子のコミュニケーションがとれなくなると、親は子供の情報が得られません。情報が得られなければ、当てずっぽうのサポートしかできず、的確なサポートにならなくなります。
そうなってしまえば、効果的なサポートになりません。無効のサポート(または子供の人生の邪魔)にしかならなくなり、子供の状態をだんだんと悪化させてしまいます。
そうして親が子供の状態を悪化させ続けているのが、大半のケースなのです。
ですから、「運動がきっかけで不登校回復に向かうパターン」で回復に向かうことを望むなら、「どうすれば、その子に合った運動をその子自身が見つけられるか」を考え、そこから逆算するような形で子供をサポートしていくといいでしょう。(※)
※ひふみ~よ会員のみなさんは、どうすればいいかはっきりとわかるはずです。会員なのにわからない方は過去の音声を聴き直したり、「もあもあよくなる」のバックナンバーを読み直したりしておいてください(^^)
「逆算すると言われても……よくわからない」
そう思う方は、自分自身が自分に合った運動を見つけたときのことを思い出してみてください。
その時、なぜ、あなたはその運動を見つけることができたのでしょうか?
その理由を思い出してみると、子供も同じようなことをすればいいのだとわかるはずです。
1つヒントをお伝えしておきますが、「いちど思いっきり運動不足になることで運動の重要性を痛感する」ということもあると思いませんか?
それを考えれば、運動不足になっている我が子を見ても焦らなくなるはずです。
思いっきりマイナス(運動不足)を経験し、身体的に最悪の状態まで落ちることで、「やっぱり運動ってほんとに大切なんだな!!」と気づき、そこから自発的に運動を始める
↓
思いついた運動を始めてみても、自分に向いていないことが判明し、「別の運動のほうがいいかも」と考え、違う運動に変えてみる
↓
その変更をいくつか経験していくうちに、自分に合った運動と出合う
↓
自分に合った運動なので自然と継続できる
↓
体を動かすことでほどよく疲れ、よく眠れるようになるし、体を動かすことでほどよくお腹がすき、よく食べるようになる(=睡眠と食事の改善に成功)
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昼夜逆転しなくなり、しっかりと食べていることで元気がモリモリ湧いてくる
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体を動かすことで心もスッキリしているので、精神的なパワーも十分にみなぎる
↓
精神的にも身体的にもパワフルになり、朝も自然と起きられるので、学校に行きやすくなる
↓
不登校回復
↓
不登校脱出
この流れが頭に入っていれば、現在の子供の状態が運動不足でも過剰に心配せずに済み、余裕をもって子供に接することができるはずなんですね。
その親の精神的余裕によって、ますます子供の状態が好転しやすくなります。余裕がある親は「親のエゴ」を暴走させずに済むので、子供から信頼されやすく、信頼されることで不登校対応がうまくいきやすくなるのです。
子供から信頼される
↓
親子関係が良くなる
↓
親は子供の情報をたくさん得ることができる
↓
その情報に合わせてサポートできるので、子供の現状に合った的確なサポートができる
↓
サポートが的確なので効果が現れやすい
↓
不登校対応がうまくいきやすい
↓
子供の状態が好転しやすい
この流れが起きるんですね。
運動がきっかけで不登校回復に向かうパターン!!
このパターンが多いという事実だけでも頭に入れておいてください。
それだけでも、今これを読んでいるあなたの今後の不登校対応が全く違ったものになるはずです。
私が最も理想的だと思っているパターンが「ワクワクと才能開花による不登校回復パターン」です。
このパターンは昔は少なかったのですが、最近だんだんと増えてきました。
「ワクワク??才能開花??それが不登校回復とどう関係するの??」と思う方もいるかもしれませんが、そう思う方は非常にもったいないことをしているはずです。
ワクワクや才能開花と不登校回復の関連性が見えていれば目の前にたくさんの不登校回復チャンスがあることに気づけますが、その関連性が見えていないと膨大なチャンスに気づかず、その全てを無駄にしてしまうからです。
例えばここに、ギターを弾くことにワクワクする不登校の子供がいたとしましょう。
その子は以前、自分がギターを弾くことにワクワクするなんて考えもしませんでした。
当然ギターも持っていませんでした。
でもある時、親戚が弾かなくなったギターを譲ってくれて、それをなんとなく弾いていたところ、ハマっていったのです。
ギターを弾いているだけでワクワクする自分。
ギターに触れるだけでワクワクする自分。
ギターを見るだけでワクワクする自分。
そんな自分が存在することに、その子自身驚きます。
それは「新たな自分の誕生」と言ってもいいほど大きな出来事なのです。
その子はワクワクを感じた瞬間から変わります。自分の中からエネルギーが湧き出るようになってきて、精神的にも身体的にもパワフルになるんですね。
そのエネルギーはだんだんと溜まっていきます。その子の中に蓄積されていき、やがてそのエネルギーを様々な分野に使えるようになるのです。その「エネルギーを使える分野」の1つには学校も含まれます。
要は、有り余ったエネルギーで不登校回復に向かい、不登校脱出してしまうんですね。
そのため、ワクワクと不登校回復の結びつきは深いのです。
才能開花と不登校回復の結びつきも同様です。
何らかの分野で才能が開花する
↓
その分野で結果が出ることで自信がつく
↓
その自信がエネルギーとなり蓄積されていく
↓
有り余ったエネルギーで不登校回復に向かう
こうして「才能開花による不登校回復パターン」が成立するわけです。
ここまで読んできて、次のような疑問が湧いた方もいるでしょう。
「どうすれば子供がワクワクすることを見つけられるのか?」
「どうすれば子供の才能が開花するのか?」
素晴らしい疑問ですよね。
この疑問が湧いた方は次のように考えてみてください。
「自分自身(親)は何にワクワクするのか?」
「自分自身(親)の才能は何か?」
これを考えていくと、ワクワク経験のある親御さんや才能開花の経験がある親御さんは「自分がどうやってワクワクすることにめぐりあったか」「自分がどうやって自分自身の才能を見つけ開花させたか」を考えることができるはずです。
それを手がかりにして子供のサポートをしていけば、子供は自分がワクワクすることを見つけ(自分の才能を開花させ)不登校回復に向かうでしょう。
「自分自身(親)は何にワクワクするのか?」
「自分自身(親)の才能は何か?」
これらの思考で、自分自身にワクワクした経験がないこと(才能を見つけ開花させた経験がないこと)に気づいた親御さんはこれから体験を増やしていきましょう。
自分自身の、ですよ。親御さん自身が新しい体験を増やしていき、その中で自分が何にワクワクするかを探っていくのです。その探求の過程で自分自身の才能を発見することもあるでしょうから、楽しみながらやってみてください。
新しい体験を増やしていった先に自分がワクワクすることが見つかれば、「こうしていけばワクワクすることが見つかるのか!」とわかるでしょう。自分自身の才能が発見できれば、「こうしていけば自分自身の才能が見つかるのか!」とわかるでしょう。
それをヒントにして子供のサポートをしていけば、子供も自分がワクワクすることを見つけたり自分の才能を開花させたりできるはずです。
「まず親がやってからなんて……そんなヒマは無い。そんなことしていたら子供の不登校回復が遅れる」
と思うかもしれませんが、一見遠回りに見えるこの方法が一番の近道です。
「親」になっている人はみなさん「大人」ですから、これまでの人生で「消去法」ができているはずで、「何にワクワクしないか」がある程度わかっているはずなんですね。
少なくとも人生経験の少ない子供よりはわかっているはずです。
そうである以上、自分自身が何にワクワクするかの発見が(少なくとも子供よりは)早いはずで、意外と簡単に見つかることも多いんですよ。才能開花も意外と早く、数ヶ月も経たないうちに自分自身の才能を見つける親御さんもいるほどです。
一見近道に見える道が一番の遠回りで、一見遠回りに見える道が一番の近道ということはよくあります。あせらず、リラックスして「本物の近道」を進んでいきましょう。
繰り返しになりますが「ワクワクと才能開花による不登校回復パターン」は私が最も理想的だと思っているパターンです。このパターンで不登校回復できればメリットが莫大ですので、ぜひ頭に入れておいてください。
※ひふみ~よ会員のみなさんは、どうすれば子供がワクワクすることを見つけやすくなるか(どうすれば子供が才能を開花させやすくなるか)がわかるはずです。会員なのにわからない方は過去の音声を聴き直したり、「もあもあよくなる」のバックナンバーを読み直したりしておいてください(^^)
意外と多いのがこのパターン!
「尊敬できる人物との出会いがきっかけで不登校回復に向かうパターン」です。
その「尊敬できる人物」は、今これを読んでいるあなたがイメージする人物像とは大きく異なるかもしれません。
例えば、ある不登校の男の子はある時彼女ができて(※)、その彼女のことを非常に尊敬していました。
※「学校に行かないのに彼女ができることがあるの!?」と不思議に思った方もいるかもしれませんが、学校に行かなくても友人関係と遊ぶことに抵抗がない場合、彼女ができることはよくあります。
「尊敬する人物は?」と聞かれたら「彼女!」と即答するほどです。
それほど尊敬できる人物である彼女と出会ったことで、その男の子は生まれ変わったように変わりました。
親のアドバイスは全く聞かないけれど彼女のアドバイスならよく聞くのです(笑)
同じようなアドバイスをしているのに、親のアドバイスは全く受け入れてくれなくて、彼女のアドバイスはすんなり受け入れてくれる。このことは親御さんにとって(特にお母さんにとって)大変ショックだったようです(笑)
しかし、現実は現実として受け入れなければなりません。
と言うより、これはものすごくうれしい変化なので、喜びとともに歓迎するのが自然です。
この変化が起きたことで、その男の子は大きく変化しました。学校に行くようになったのはもちろん、学校に行かなくなる前以上に熱心に勉強するようになったのです。
ただし、その偶発的な好転だけではその後が危ういものとなるでしょう。
例えばその彼女と別れてしまったら……
全てのやる気をなくし、また学校に行かなくなるかもしれません。(=不登校再発)
ですから、偶発的な好転が起きた時こそ親は本腰を入れて、そこから本格的に子供のサポートを始める必要があるのです。
尊敬できる人物と出会えた場合、本来は不登校対応が非常にやりやすくなるはずです。先ほどの例で言えば、彼女経由で息子さんに働きかけることができるようなものですから、親としてはものすごくラクに子供のサポートができるようになったはずなのです。
ところが、このようなケースの場合、親が彼女経由で息子をサポートすることはなかなかできません。なぜなら、親の心に抵抗が生じるからです。
簡潔に言えば、ここで「子離れできない気持ち」が生じるんですね。親としての存在価値を失いたくないため、自分自身(親)を超えるほどの影響力を子供に対して持つ人物(彼女)に恐れや怒りが生じてしまうのです。
特に先ほどの例のようなケースでは、お母さんが「息子を取られたくないような気持ち」になりやすく、今まで味わったことがない感情を味わうため、「息子の彼女」とのコミュニケーションでつまずくでしょう。
だからこそ、不登校対応は表面的な改善や偶発的な好転ではうまくいかないのです。
親御さん自身の根本からの改善が必要なのです。
もし、息子に彼女ができて「尊敬できる人物(彼女)との出会いがきっかけで不登校回復に向かうチャンス」が目の前にやってきたとき、親御さんの心が余計な感情に乱されなかったらどうでしょうか?
彼女にうまく協力してもらって、急速に不登校回復が進むと思いませんか?
不登校回復が急速に進むだけでなく、不登校再発リスクが最小化するほどのパワーを子供に生じさせることも可能だと思いませんか?
そうなんです。
本来は、それほどのことができるのです。
でも、ほとんどの親御さんはそれができないのです。
大半の親御さんは親御さん自身の心の根っこの部分を変革させるトレーニングを全くしていないので、チャンスがやってきてもそれをつかめないんですね。
だからこそ、SIAPROJECTでは「親御さん自身の心の根っこの部分を変革させるトレーニング」を“毎日”継続するサポートを提供しているのです。
心の状態にごまかしは効きません。
無理やりに「こう思おう」と思っても、そう思えないのが心です。
だから事前にトレーニングしておく必要があるのです。
当たり前のことですが、チャンスがやってきてからトレーニング開始しても間に合いません。「いざとなったらSIAPROJECTのサポートを受けよう」と思っている方は間に合いませんので、その点は本当に甘く考えないでください。
「尊敬できる人物との出会いがきっかけで不登校回復に向かうパターン」は意外と多いパターンだと前述しましたが、そのパターンで不登校回復が進んでも再び不登校に陥ってしまうケースも多いものです。このパターンで不登校回復が進んだ子供の未来を潰さないために、1日も早く親御さん自身に変革を起こしておきましょう。
これは子供の未来がかかったことなのですから、モタモタしている場合ではありません。
以上、不登校が回復していく過程のうち「よく見られるパターン」を3つご紹介しました。
これら3つを頭に入れておくだけでも、親御さんの日常の不登校対応が全く違ったものとなり、子供の未来が輝く可能性を高めることになるでしょう。
執筆者:SIAPROJECT代表 木村優一
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